小麦ブラン研究会

小麦ブランとは

小麦ブランのハイブリッド食物繊維
〈 体の中での働き 〉

2つの働きをする「ハイブリッド食物繊維」

小麦ブランの食物繊維は、穀物の中で最も多く含まれるだけではありません。体内での「かさまし」効率も一番高い食材なのです。さらに小麦ブランに特徴的なのが、不溶性食物繊維が多いにも関わらず、大腸まで達すると水溶性食物繊維としての機能も発揮するということです。「ハイブリッド食物繊維」とも言うべきこの二面性を生かし、各消化器では様々な働きをし、腸内環境の改善に役立っているのです。

1g の食物繊維摂取による平均のかさ増加量
グラフ

ハイブリッド食物繊維

口から入って小腸までは不溶性食物繊維として機能しつつ、大腸下部では架橋が切れて溶出した水溶性食物繊維が威力を発揮する、という両面性を持った特異な食物繊維。

ハイブリッド食物繊維のはたらきイメージ

① 口(くち)

役割
食物を咀嚼し消化しやすい形状に
小麦ブランのはたらき
満腹効果、かさまし効率アップ

消化器としての口の役割は、食べたものをかみ砕いて、消化しやすい形状にすることです。小麦ブランは噛みごたえがあるため、満腹感も出てきます。

② 胃

役割
強い酸で食物を溶かし、消化する
小麦ブランのはたらき
かさまし

胃の中へ入った不溶性食物繊維は、水分を吸収するとかさを増すため、腹もちもよくなり、さらに食べ過ぎを抑制してくれる効果があります。水分と一緒に摂ると、よりかさまし効果は高くなります。
小麦ブランと米の外皮である米ブランを拡大比較してみると、小麦ブランの方が細胞壁が厚く、食物繊維がぎっしりと詰まっていることがわかります。

米ブラン・小麦ブラン 電子顕微鏡500倍
小麦ブランのかさまし効果イメージ
グラフ

③ 小腸~大腸

役割
消化吸収・免疫機能
小麦ブランのはたらき
腸を動かす

腸の運動を活発化、便秘の改善へ

腸は「ぜん動運動」と呼ばれる動きを繰り返すことで、食べたものを出口へと送り出します。かさましした不溶性食物繊維は、その動きを促進させます。腸の動きが活発になれば腸の筋肉も鍛えられ、健康で若々しい腸を保つことができます。不溶性食物繊維は、いわば「腸の筋トレ」効果をもたらしてくれると言えるのです。

排便促進効果
水分を吸って大きく膨らんだ食物繊維は腸管に刺激を与え、腸のぜん動運動を活発にします。大腸内を素早く通過することで、腸内毒素や腐敗産物の産生を抑え、腸内での吸収を抑制して代謝性疾患を低リスクにすると考えられています。小麦ブランを使ったシリアルの摂取により平均排便頻度が25%増加したという検証結果1)も出ています。

腸疾患の予防効果
食物繊維は便の重量を増やした結果、大腸内の圧力は低下し、それによって大腸の腸憩室症(ちょうけいしつしょう)を予防し、症状を緩和する作用があることが報告されています。その効果は水溶性食物繊維よりも、小麦ブランに代表される不溶性食物繊維の摂取の方が有効2)であることもわかっています。

腸のバリア効果(腸粘膜機能の調整)
腸壁はかさましした食物繊維の刺激を受けると、表面の絨毛から粘液物質の「ムチン」の分泌が促進3)されます。細菌などの侵入を防ぎ、腸のバリア機能を高める効果をもたらすのです。またムチンは腸内で善玉菌のエサになることもわかっており、水溶性食物繊維として善玉菌を増やすことに貢献しているのです。

④ 大腸

役割
便をつくり、排せつする
小麦ブランのはたらき
善玉菌のエサになる

腸内の悪玉菌の活性を抑え、善玉菌を増やす

善玉菌>悪玉菌健康な腸内環境は、細菌の種類のバランスが良いとされます。食生活の乱れやストレスによって悪玉菌が優勢になると、腸内はアルカリ性になり、腸粘膜のバリア機能や免疫力は低下してしまいます。善玉菌を増やし、悪玉菌の増加を抑えることが重要なのです。

免疫力活性効果
善玉菌の多い大腸の奥までエサが届けば、善玉菌を増やし、悪玉菌の増加を抑えて腸内細菌のバランスは保たれます。大腸では腸内細菌のバランスが免疫機能を調節するのに重要な役割を果たします。小麦ブランの場合、腸壁から分泌されたムチンや、溶出したアラビノキシランの水溶性食物繊維としての機能が、免疫力を強化する担い手となります。

美肌や心の安定効果
便秘などによって毒素がたまると、肥満や肌あれなど、見た目にも影響が出てきます。さらに最近では「脳腸相関」という考え方が注目されています。ストレスや緊張でお腹の調子が悪くなったり、反対に腸の状態が脳の働きに影響を与えることがあるのです。また、精神安定などに働く神経伝達物質で「幸せ物質」とも呼ばれるセロトニンは、腸で生成されています。腸内環境を整えることは、心身ともに若々しく健康でいるための秘訣であると言えそうです。

  • 1)Cho SS, Qi L, Fahey GC Jr, et al: Consumption of cereal fiber, mixtures of whole grains and bran, and whole grains and risk reduction in type 2 diabetes, obesity, and cardiovascular disease. Am J Clin Nutr 2013; 98, 594-619
  • 2)Aldoori WH, et al: J Nutr 1998; 128, 714-719
  • 3)Satchithanandam D, et al: J.Nutr 1990; 120, 1179-1184